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第10回コンクール声楽部門最高位│山田藍里

夢はロイヤルオペラで歌うこと!と目を輝かせてインタビューに応えてくれる、山田藍里さん(第10回コンクール声楽部門最高位)は、昨年9月にイギリスTrinity Laban conservatoire of Music and Dance に留学、しかし、その3ヶ月後には(更に高みを目指しオーディション(入学試験)に挑戦!)Royal Northern College of Musicの大学院、オペラ科に見事合格した、今後の活躍が期待出来るプリマドンナです!

 

記事:おおきな木通信 RMS 2017年2月号より

※インターネット掲載にあたって、一部加筆・修正されています。

イギリス留学

嶋田

この度はロイヤルに合格おめでとうございます。

 

 

山田

ありがとうございます!試験に合格してこのインタビューを受けられて嬉しく思います。

 

 

嶋田

昨年の9月にイギリスのトリニティ・ラバン・コンサヴァトワールに留学されたのでしたね。

 

その3ヶ月後にあとでお話し頂くロイヤルに合格されたわけですが、先ずはどのようなキッカケで留学を決められたのか?その辺りからお聞きしたいと思います。

 

 

山田

父がアメリカに留学していたので、幼いころから視野を広げるために、留学は自然に行くものと思っていました。

 

 

嶋田

しかし、アメリカではなくイギリスを選んだ理由は?

 

 

山田

先ずは英語圏であること、そして作曲家のヘンデルに興味があったこと、日本では聴いたことのないような英語のオペラも学びたかったからです。

 

 

嶋田

英語の勉強はどうされたのですか?

 

 

山田

学校の授業と、留学前は英語の塾にも通っていました。またBBCのニュースを聞いたり、ひたすら勉強しました。

 

 

嶋田

英語が大好きな藍里さんがルーマニア国際音楽コンクールを受けたのは?

コンクールを受けて

山田

受かった時は光栄でした。

何しろレベルの高いコンクールで有名ですから。レベルの高さと過去の入賞者の活躍が素晴らしいことなどで受けさせて頂きました。

 

また入賞後には、入賞者披露演奏会、ルーマニア演奏旅行、ルーマニアと日本でのチャリティーコンサートなど、たくさんの演奏の機会を与えて頂き、一つ一つのコンサートによって成長させて頂きました。

 

このコンクールで声楽部門最高位を受賞したことは、その後の自信に繋がっています。

 

 

嶋田

そういえば、藍里さんたちの演奏旅行は着いた次の日にクラブの爆発事故があり、ルーマニア政府のお達しで全ての演奏行程がキャンセルになる。という今までの演奏旅行では考えられない大きな出来事がありました。

 

 

山田

コンサートが中止になったと聞いた時はどうしていいのか分からない状態でしたが、ロマナ・アメリカン大学の協力を得て、チャリティーコンサートが開かれ、ルーマニア国歌をルーマニア語で歌わせて頂いたことは印象深いです。

 

 

嶋田

そして帰国後、ルーマニア大使館でもチャリティーコンサートを開き、ルーマニアの病院に寄付出来たことに尽力頂いたことを嬉しく思っています。

イギリスでの生活

嶋田

イギリスでの生活をお聞きします。

 

 

山田

ロンドンから電車で40分位のグリニッチにある、大学の寮に住んでいます。私の卒業した東京学芸大学は、音楽科だけではなく、体育、数学などのコースがあります。もちろん、ピアノやソルフェージュなどは幼い頃から習っていましたが、音楽大学という名のついた学校は初めてですのですごく新鮮で楽しいです。

 

英語のレベルが高いので、必然的に英語圏の生徒が多いのですが、フランス、スペイン、イタリア、インド、南アフリカ、キプロス、スロベニアなど 60ヶ国以上の国籍の人がいます。

 

 

嶋田

授業以外の楽しみはなんですか?

 

 

山田

ジャパニーズセンターに行って日本食を買ったり、またお気に入りのラーメン店も見つけました。授業が終わると、イギリス特有のどんよりとした空気を取り払うように、学生たちはクラブやレストランにお洒落をして出かけて行きます。

 

 

嶋田

藍里さんも行くのですか?

 

 

山田

私は授業に追いつくために勉強をしています。(笑)

 

 

嶋田

折角ですので、1年間はみっちり勉強して、その後はイギリスを楽しんでください。

 

 

山田

分かりました!

 

 

嶋田

学校での悩みはありますか?

 

 

山田

声楽家としての体型と声量の問題、後は表現力を磨きたいです。発音が課題ですが!

 

また、海外では自分の思うことを言葉にしないといけないので、英語の力が必須です。1時間のレッスン時間をどうレッスンしてもらうか?日々戦いです。

 

 

嶋田

その結果、もう一つ上の大学に推薦を頂けることになったのですね。

 

ロイヤル

山田

はい!今習っている先生からの推薦で受けることにしました。イギリスでは年1回、9月からの新学期に備えての入学試験(オーディション)が行われます。時期は前年の11月~12月にかけてが多いです。

 

 

嶋田

なぜ、留学して直ぐに他の音楽大学を目指そうと思ったのですか?

 

 

山田

イギリスにおいて、ロイヤルという言葉の重みは、日本で聞いていた以上のものがありました。

 

習っていた先生がロイヤルでマスタークラスを教えていることもあり、推薦頂いたので挑戦してみようと思いました。Royal Northern College of Musicはオペラと声楽を勉強するにあたり、世界でも大変高名なコンセルバトワールとして世界に知られています。

 

 

嶋田

相当レベルが高いのではないですか?

 

 

山田

はい!それはもう。世界中からの受験者の中で、合格するのは 10名以下ですから、受かるとは思えなかったのですが、卒業生がオペラ界で活躍しているのを見て私も行きたいと思うようになりました。

 

 

嶋田

試験はどんなものですか?

 

 

山田

実技、ソルフェージュ、新曲視唱、英語の詩の朗読などの他に、英語の面接があります。入学希望動機、入って何をしたいか?

将来どんなアーティストになりたいか?日本から来た理由などです。

 

 

嶋田

それを全て英語ですか?

 

 

山田

はい!オーディションを受ける前には、志望動機書も提出しました。

 

 

嶋田

日本の皆様にも、将来どんなアーティストになりたいか?教えてください。

 

 

山田

アメリカメトロポリタン歌劇場、イギリスロイヤルオペラ、イタリアミラノスカラ座でオペラを歌いたいです!

 

 

嶋田

是非、夢を叶えて、世界のプリマドンナになってください。応援しています!

 


Airi Yamada Profile

山田 藍里プロフィール

 

 

公式サイト
https://www.airiyamada.com/

 

東京学芸大学 教育学部 芸術課程音楽専攻を卒業。

大学在学中に大学長より「学長賞」を3年連続で受賞。

大学卒業後に渡英し、英国トリニティ・ラバン音楽大学に留学。

在学中に最優秀賞を受賞。

その後、英国北王立音楽大学オペラ科修士課程において、成績優秀者に授与される “James and Mary Glass Scholarship”を受賞。

修士課程を修了後、スイスオペラ研修所に合格。2年間スイスで活動。

現在、英国国立サウサンプトン大学 人文学部音楽専攻、博士課程に在籍。

ロンドン在住。

 

2014年 万里の長城杯国際音楽コンクール優勝。

2014年 ルーマニア国際音楽コンクール最高位。

2020年 International Art Competition優勝(ウクライナ)。

2023年 New York International Singing Competition第3位。

など、数々の国内外の国際音楽コンクールで優勝、入賞多数。

2015年 ルーマニアにおいてルーマニア国歌を独唱。

オペラでは、2018年《修道女アンジェリカ》で英国デビューを飾り、《シンデレラ》のタイトルロールで国際的評価を得る。

また、スイスにおいてオペレッタ等に出演。

昨年、イタリアでオペラデビューを果たす。

 

NPO法人日本ルーマニア音楽協会

〒106-0047 東京都港区南麻布4-5-48フォーサイト南麻布4階

 

Romanian Music Society in Japan
4-5-48-4F Minami-Azabu Minato-ku Tokyo 106-0047 Japan

 

TEL:050-6865-5916

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